リンパ腫の症状
リンパ腫とは、白血球にあるリンパ球の細胞ががんになる血液の病気です。
リンパ腫は猫がかかりやすいがんの1つとなっていて、血液のがんですから、体の全ての細胞から発症します。
発症する箇所により前縦隔型、多中心型、消化器型、節外型に分けられます。
前縦隔型は胸に発症するがんで、呼吸困難や吐出、ものが飲み込めないなどの症状が出ます。
多中心型は、わきや足の付け根などリンパ節にできるがんです。
消化器型は腸に発症し、嘔吐・下痢、食欲がなくなる、痩せるといった症状が出ます。
節外型は中枢神経や腎臓、皮膚、鼻の穴、眼に起こるがんで、中枢神経型では下半身が麻痺するなどの中枢神経の異常、腎臓型では水を多くのみ、おしっこの量が増える、体重が減る、うつ状態になる、中枢神経に異常が起こるなどの症状があります。
皮膚型のものは、激しい痒みや毛が抜ける、皮膚が潰瘍状態になったり、硬くごわごわする、湿疹ができるなどの症状が出るのが一般的です。
鼻の穴に起こるものは鼻から出血したり、汁がでたりする症状や、顔が変形する、呼吸が困難になるなどの症状があります。
リンパ腫のステージ分類は、以下のとおりです。
ステージ1が1つのリンパ節または1つの臓器に発症している段階。
ステージ2は複数のリンパ節にがんが発症している段階です。
ステージ3は、全身のリンパ節にがんが発症している段階となります。
ステージ4で、肝臓または脾臓にがんが発症している段階。
ステージ5は末梢血液や骨髄にがんが発症している段階です。
発症の原因はさまざまですが、最も多いのが、猫白血病ウイルスの感染です。
このウィルスに感染すると、発症率は約60倍に跳ね上がるといわれています。
猫免疫不全ウイルスに感染している場合も、発症リスクが5倍高くなります。
猫白血病ウイルスと猫免疫不全ウイルスの両方に感染している場合は、発症リスクは80倍になると報告されています。
また、飼い主に喫煙習慣があると、受動喫煙でも発症リスクが高くなります。
大切な猫ちゃんをがんにさせないために、飼い主さんは猫ちゃんのそばでタバコを吸わないようにしましょう。
このほかストレス・細菌・腸の炎症などが原因になるともいわれており、リンパ腫の発症はさまざまな要因が複雑にからみあっていると考えられます。
リンパ腫の治療法
治療では、抗がん剤による化学療法を行うのが一般的です。
中枢神経型のリンパ腫では放射線療法が行われる事もあります。
また、リンパ腫によって生じるさまざまな病状を抑えるための対症療法も並行して行われます。
縦隔型リンパ腫では胸水がたまるので呼吸困難に陥ることが多いのですが、このような場合は胸水を取り除いて呼吸をしやすくします。